日本財団 図書館


 

して、「民間団体の成長や活動実態に即して柔軟に支援していく必要」(3頁)が指摘される。
?Aまた、助成対象事業の具体的なプログラム策定にあたっては、ガイドライン以外には何も設けず、「多種多様な都民のニーズを踏まえ、専門家による高度に組織されたものから、市民グループによる創意溢れる企画まで、広く門戸を開き、柔軟に、自由闊達なアイデアを受け入れる余地のあるプログラムとすべき」(4頁)としている。
?B助成対象事業者の要件については、「都民の活動を育成する視点」からこれまでの活動実績や組織状況に基づき「適切に執行」するとして、その緩和を打ち出している。具体的には、「法人格」を外したり、「都内に活動の拠点や重点がある全国団体」や「母体が宗教法人であっても布教活動の伴わない自立した団体」「都内に拠点のある在日外国人団体」にも拡大する。また、「政治活動を目的にしない団体」の規定に関しても、「何をもって政治活動とするかにっいては、その判断は非常に難しい」(7頁)として、あくまで活動実績の精査と事例検討の蓄積の必要性を強調している。
?C助成金額と事業費目等の設定については、「プログラムに応じた設定」や「事業費の一部と見なされる場合の人件費や事務的経費も対象化」「助成比率の柔軟化」「大項目化と費目間の一定流用の容認」を提言する。関心の高い第2項目についてもう少し紹介すれば、今回「事業単位で直接必要とされる事業費としての人件費」を原則として対象化すべきとしたことに加え、「事業の遂行に必要な範囲でのスタッフの人件費」、さらには「本部管理部門の人件費や事務所維持費等の間接経費部分についても一定割合であれば対象化してもいい」との方向を打ち出している。
?D募集・審査・効果測定については、「ダイレクトリーの作成・ネットワーク型団体の活用」「委員の多様な構成・分野別小委員会」「申請者・財団に加え、第三者機関(専門家)による評価実施および都民への積極的な公表手法の導入」等を示している。
以上の改善点は、いずれも市民セクターの要望事項に応えるものばかりであり、社会動向を的確に反映するものといえよう。また、これまでの検討結果からみて、地域福祉基金の見直しにあたっても大いに参考にされてしかるべきものばかりであろう。換言すれば、改善方向の背景にある財政支援のコンセプトは、あきらかに「補完的特定事業助成」から「独自的団体育成助成」の方向に大きくシフトしかかっているといっていいだろう。
実は、前節においては言及しなかったが、振興事業のプログラムのなかにも、すでに「独自的団体育成助成」の性格を有する事業があることをここで紹介しておきたい。それ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION